新しい時代の働き方!ワーケーションの魅力をご紹介
ワーケーションとは
ワーケーションとは、仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた新しい働き方のこと。観光地やリゾート地などで仕事をしながら、空き時間に観光やリフレッシュを楽しむスタイルが、テレワークの普及に伴い注目されています。
また目的や働く場所によって、ワーケーションは大きく2種類に分類されます。ひとつは休暇が主目的で、福利厚生の一貫として行われる「体験型ワーケーション」。ふたつめは、業務主体の「業務型ワーケーション」です。特に日本では地方創生の一環として推進されています。
まさに「三方良し」ワーケーションが注目されている理由
テレワークの普及によって、働き方のひとつに名乗りをあげた「ワーケーション」有給休暇の促進や社員の帰属意識の向上などが、未来の優秀な人材を獲得する上でもプラスになります。
ただ現在の「ワーケーション」は社員や採用面でのメリットにとどまりません。ワーケーション導入企業によると、地域貢献の要素を盛り込むことで、社員・企業・地域で三方よしとなるような工夫をする。それによってお互の関係教科に繋がっています。
【利用者側】ワーケーションのメリット3選
社員・企業・地域の三方良しの工夫が求められるワーケーション。まずは利用者側の目線から、ワーケーションのメリットを3つ考えてみます。
メリット①ストレス軽減やリフレッシュ効果を期待できる
ワーケーションでは、普段の場所とは環境を変えて仕事に取り組むため、リフレッシュしながら仕事ができるというメリットがあります。
リゾート地や観光地で仕事をすれば、仕事に疲れたときはいつでも“遊び”に切り替えられます。このオンオフの切り替えが簡単にでき、メリハリがつけやすいことがストレス軽減にも繋がるでしょう。
メリット②業務の効率が向上する
職場で仕事をしていても、掃除やコピー取りの雑用が増えてしまう。他の社員との会話に時間がとられ、自分の仕事が全く進んでいない。就業時に振り返るとなかなか生産性が上がっていない、そんな経験はありませんか?
ワーケーションの場合、自分の集中できるタイミングで作業に取り組めるため、限りなく自分の仕事にフォーカスできます。結果的に、作業効率の向上が期待できるでしょう。
メリット③新たな出会いやアイデアが生まれやすくなる
いつも同じ場所、同じメンバーで仕事をしていると、アイデアが凝り固まってしまうもの。そんな新しい情報を得る機会が少ない人にとって、場所や人を変えるワーケーションはアイデアを生み出すいいきっかけが掴めます。
例えば地方にあるサテライトオフィスを利用した場合、いつもとは違う社員と同じ空間で仕事をすることに。さまざまな業種・業界の幅広い世代が集まるコワーキングスペースで仕事をすれば、業種の垣根を越えた交流を図れます。
【企業側】ワーケーションのメリット5選
社員・企業・地域の三方良しの工夫が求められるワーケーション。続いては企業側の目線から、ワーケーションのメリットを5つ考えてみます。
メリット①従業員の生産性が向上する
ワーケーションを取り入れることで、従業員は新しい環境で働くチャンスを得てリフレッシュでき、仕事に対するモチベーションが高まります。心身の疲労を軽減し、リフレッシュした従業員が業務に戻ることで、業績向上が期待されます。
異なる環境に身を置くことで、従業員は新たな視点やアイデアを得やすくなります。リゾート地や自然に囲まれた場所は、クリエイティブな発想を刺激し、従来の業務では得られない革新的なアイデアを生む場として機能します。
メリット②人材の確保につながる
柔軟な働き方を提供する企業は、リモートワークや自由な勤務スタイルを求める若手人材にとって魅力的に映ります。時代もあって多くの企業がテレワークを導入していますが、ワーケーションの導入は少ないため、他社との大きな差別化ポイントになります。
このように企業が多様な働き方を推進することは、結果として、多様な人材の確保に繋がるでしょう。
メリット③企業価値の向上が期待できる
ワーケーションの導入は、柔軟な働き方を支援する先進的な企業としてのイメージを高めます。特にリモートワークが重要視される現代では、従業員の働きやすさを追求する企業姿勢が評価され、採用競争力の強化やブランド価値の向上に繋がります。
また、従業員の健康促進やワークライフバランス改善にも貢献するため、社会的責任を果たす企業としての認知度が高まります。これら求職者には魅力的に映り、採用時の大きなアドバンテージです。
メリット④帰属意識が高まる
社員同士が新しい環境で一緒に働くことで、通常のオフィス環境では得られないコミュニケーションや協力が生まれます。特に共同作業やレクリエーションを取り入れたワーケーションは、チームワーク向上に寄与します。
加えてワーケーションによる柔軟な働き方の選択によって、従業員はより自分のワークスタイルを実現可能に。企業に対する満足度が上がり、離職率の低下が期待できます。
メリット⑤地方創生に寄与できる
ワーケーションを活用することで、企業は地域経済への貢献を果たし、地方創生に寄与できます。具体的には、従業員が地方で長期滞在し、宿泊や飲食などを通じて地域経済を活性化することで、企業はCSR(企業の社会的責任)活動の一環として地域支援を実践できるように。これにより、地域との連携強化や企業の社会的評価向上が期待されます。
また地域でのワーケーションは、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献することもできます。現地での活動や取り組みを通して、地域の教育や環境保護に関する目標を支援しましょう。
【行政・地域側】ワーケーションのメリット3選
社員・企業・地域の三方良しの工夫が求められるワーケーション。最後は企業側の目線から、ワーケーションのメリットを3つ考えてみます。
メリット①平日の旅行需要を創出できる
ワーケーションを誘致することで、平日でも旅行需要が期待でき、観光地や地域の宿泊施設、飲食店の利用が増加。従来の週末や連休に集中していた観光需要が分散されることで、平日の稼働率が向上し、地域経済の安定的な収益が期待できるようになります。
結果として観光業の繁忙期・閑散期のギャップが縮まり、地域全体の経済活性化にも繋がります。平日に観光すれば、有名なスポットやお店が空いていたりと、利用者にとってもメリットです。
メリット②関連事業の活性化や雇用創出につながる
ワーケーションによって、都市部から地方への人の流れが増えると、宿泊施設や飲食店など地域の経済活動が活発化します。加えて観光だけでなく長期滞在型の利用が増えることで、地域産業への継続的な消費が期待され、地方経済の活性化に大きく貢献します。
さらにワーケーション制度を導入している企業と地元の企業の繋がることで、新しいビジネスが生まれる可能性もあります。誕生すれば、地域ビジネスの雇用に繋がるでしょう。
メリット③企業との関係性を構築できる
ワーケーションを通じて地域と企業が連携することで、長期的な関係性を構築することができます。地域は企業向けのサポートを提供し、企業は地域の活性化に貢献できる場をゲット。ワーケーションは双方にメリットをもたらします。
また企業研修や人材育成の拠点として利用されることで、地域の知名度向上やさらなる投資が期待されます。企業と連携することで、行政や自治体が直接アプローチすることの難しい層にまで、魅力を届けることができるでしょう。
【企業】ワーケーションの導入事例9選
一口に企業がワーケーションを導入するといっても、従業員に利用してもらえなければ意味がありません。積極的に利用してもらうためにも、導入企業の事例をみながら最適な取り入れ方を考えましょう。
①日本航空株式会社
「日本航空株式会社」は、2017年からワーケーションを導入しており、先駆け的存在です。社員の健康増進と地方創生を目指し、国内各地のリゾート地や地方都市でワーケーションを実施しています。
具体的には、合宿型ワーケーション企画や、体験ツアーの実施を行ってきました。社員が地方で仕事を行うことで、リフレッシュと業務効率の向上を図り、また地域の観光促進にも貢献。地元企業とのコラボレーションも進め、地域活性化をサポートしています。
②ユニリーバ・ジャパン
世界最大の消費財メーカーの日本法人である「ユニリーバ・ジャパン」。2016年から「WAA(Work Anywhere Anytime)」制度を導入し、働く場所と時間を自由に選べる制度を整備しました。
これは業務に支障がない限り、上司に申請の上で社外のどこででも仕事ができる制度です。すでにこの働き方は、企業風土と結びつく働き方として浸透し、「ストレスが減り、仕事への意欲が上がった」と従業員からも高い評価を得ています。
③株式会社野村総合研究所
「株式会社野村総合研究所」は、コンサルティングやITソリューションなどのサービスを幅広く展開している企業です。2018年2月から徳島県三好市にサテライトオフィスを設置し、遠隔地勤務を可能にしています。
具体的には平日はサテライトオフィスで通常の業務を行い、週末は休暇が取れるような仕組みに。これは社員の“時間の使い方”や“地方課題”に対する視野が広がった、ワーケーションの成功事例です。
④日本マイクロソフト株式会社
「日本マイクロソフト株式会社」は、ワーケーション制度、もっと言うと在宅勤務制度がありません。ワーケーションを特別なものとして切り出すのではなく、日常と特別をひとつのルールに収め、働く場所にとらわれない働き方の制度設計を行っています。
また社員に対しては「いろいろな場所で働きながら、人との出会いやコラボレーションも楽しむことが大切」を求めるように。その実態が制度としても広がり、厳しい業界でも生き残れる企業へ進化しています。
⑤株式会社セールスフォース・ドットコム
クラウドアプリケーションおよびクラウドプラットフォームを提供する「株式会社セールスフォース・ドットコム」。2015年に総務省の地域実証事業に参画し、南紀白浜にサテライトオフィスを開設しました。
ジョブ型への転換がされている今だからこそ、時間ではなく成果で仕事を進めていく制度設計ができるかどうかが大きな鍵になります。信頼関係ができればリモートであっても仕事の進み方はスムーズになり、社員の自発性やイノベーションムーブも期待できるでしょう。
⑥ランサーズ株式会社
「ランサーズ株式会社」は、フリーランス向けのプラットフォーム運営企業として、働く場所に制限がなく、リモートワークできる環境を整えていました。中でも2017年には「社員さすらいワーク制度」をつくり、地域でのワーケーションを推奨しています。
またワーケーション中は、自社が取り組んでいる地域創生プログラムの運営や推進に関われるのが特徴です。ここでの情報共有は、ユーザー理解やサービス向上にも貢献します。
⑦株式会社LIFULL
住宅や不動産に関わる情報発信、ポータルサイトの企画・運営を行う「株式会社LIFULL」。地方創生を目的としたワーケーションを推進し、宿泊機能が備わった多拠点コワーキング施設を運営しています。
企業として働き方の自由を選択したことは、採用の場面でプラスをもたらしました。「自分らしく働いて生きる」ことを目指す就活の学生にとって、魅力的に映っています。
⑧株式会社内田洋行
「株式会社内田洋行」は、“ICT”と“空間”の双方から、人の可能性を広げる“場”づくりを支援する会社です。中でも学校の跡地を活用した「熱中小学校」では、社員が地方で働きながら現地のコミュニティと連携する取り組みを行っています。
効果として一番大きかったのが、社員同士のコミュニケーションが高まった点です。ワーケーションといえば、地方に行きひとりで仕事をするイメージが強いですが、会社として参画したことにより、チームビルディングの目的も達成できました。
⑨株式会社日本能率協会 マネジメントセンター
人材育成支援事業や出版事業を行う「株式会社日本能率協会 マネジメントセンター」。企業と地域を繋ぎ、その地域ならではの体験を学びのプログラムに組み立てる「ラーニングワーケーション」に取り組んでいます。
具体的には、地域課題の解決を目指す地域事業者と企業が連携するリーダー育成プログラムや、地域の資源を研修として再定義し構成されたプログラムに展開しています。
【自治体】ワーケーションの導入事例5選
次は自治体サイドのワーケーション導入事例を5つご紹介します。地域と企業がつながることで、お互いに学びや成長をもたらすことができます。
①北海道北見市

出典:国土交通省観光庁
北海道北見市がワーケーションを導入したきけっかけは、企業誘致を進めていた背景と関係しています。学生が市外に就職してしまう課題の解決策として、考えていたIT系企業の北見市進出。ただ新卒社員をいきなり北見市で働かせることに難しさを感じたため、入社後の一定期間は都市部で働き、経験やスキルが身についたら、戻ってきてもらうモデルを考えました。
商店街の空き店舗を利用し、サテライトオフィスを整備したり。地域の大学との連携や、地域課題を進出企業の技術で解決するような共同研究を実施したり。色々なことを進めています。
②和歌山県和歌山市

紀南地域を中心に、ふるさとテレワークやIT企業の誘致に力をいれていた和歌山県。それをベースに、2019年には長野県と協力して「ワーケーション自治体協議会」を設立しました。設立当時から65の自治体が会員として参加し、和歌山県知事が会長になっています。
またここでは、海や温泉地と連携したワーケーションプランを提供しています。特に歴史的な観光地や文化体験を組み合わせ、仕事と休暇の両立を図るスタイルを推進。今あるものに目を向けて、地元の企業や人を上手に繋いでいます。
③京都府京丹後市

出典:京丹後市役所
2021年後に立ち上がり、京丹後市内を中心としたさまざまな事業者や団体で構成される「京丹後リビングラボ」。京丹後をフィールドに、都市部企業やビジネスパーソンが継続的に関わる仕組みを整え、垣根を越えた新たな協働・共創モデルづくりに力をいれています。
その取組のひとつとしてワーケーション、ラーケーションプランが準備されています。「日本刀の世界体験」プランや「オーガニック農場の作業体験」。非日常の土地で仕事を行うだけでなく、心の健康を高めて豊かに暮らし続けられる体験も提供しています。
④香川県丸亀市

香川県の中西部に位置する「丸亀市」。ここでは瀬戸内中讃定住自立圏の構成市町である善通寺市・琴平町・多度津町・まんのう町と協力しながらワーケーションを推進しています。
特徴として、期間中は地元の方々とつながりを深められる交流会が設けられている点が上げられます。通常の観光では出会えない、地域に深く根付いた方々とお話できる経験はワーケーションならではないでしょうか。豊かな自然の中で、暮らすように過ごすワーケーションを提案しています。
⑤長崎県五島市

長崎県五島市がワーケーションに関心をもったのは「出身者や学生が将来帰るきっかけになれば」と考えたことが始まりでした。そのタイミングでWEBメディアからお声がけいただき、2019年5月にリモートワーク実証実験を開催。地元の人達との関係性が生まれたことで、取り組みが一気に広がりました。
五島市では訪問者と受入側双方にメリットがあり、継続的に関わる合う仕組みをつくることを大切にしています。都市部からの参加者には知的好奇心を満たすようなテーマを提供し、関わりたいと思うきっかけを提供。地域事業者に対しても、巻き込まれたくなる企画作りを意識しています。
ワーケーションを成功させるための4つのポイント
一見メリットばかりにみえるワーケーションですが、この働き方を成功させるためにはいくつかの見逃せない項目があります。中でも代表的な項目を4つ厳選してご紹介します。
①セキュリティ対策
ワーケーションでは、リモートで業務を行うため、情報漏洩やサイバー攻撃のリスクが高まります。セキュアなVPNの利用やデバイス管理、データ暗号化を徹底しましょう。
とはいえいくらウイルスソフトや通信環境を整えても、社員のセキュリティに関する意識が低ければ、元も子もありません。セキュリティ対策をおろそかにした場合のデメリットを理解してもらうためにも、説明会などを実施し、社員の意識を変えることが必要です。
②就業規則を見直す
ワーケーションとは、「旅先で働きながらも休暇を楽しむ働き方」のこと。そのためワーケーションの実施には、就業規則の変更が不可欠です。休暇と業務を組み合わせる、つまりはフレックスとテレワークの組み合わせが可能な規則に変更しましょう。
これによって、午前中に旅先で仕事をした後、午後は半休を取得して旅先の観光地を楽しむなど。ワーケーションのメリットを存分に活かした働き方を実現できます。
③人事評価制度を見直す
ワーケーションは「勤務態度がみえない」「成果につながる行動、勤務時間が把握しづらい」といった、人事評価が難しい理由がいくつも考えられます。
ワーケーション中の成果を評価するには、働く場所ではなく成果を重視した評価制度が必要です。遠隔での勤務状況を考慮し、具体的な目標達成度やアウトプットを基にした評価基準を設けることで、公平な人事評価が可能となります。
④負担する費用を規定する
どこまでが会社負担で、どこからが社員負担なのか。ワーケーションの費用をどこまで負担するのか明確にしなければ、金銭面の不満が勃発。制度運用に大きな支障をきたす恐れがあります。
だからこそワーケーションに伴う交通費や宿泊費、通信費の負担を明確に規定することが重要です。一般的な論点として、交通費や宿泊費やどちらが負担するのか、一部補助という形にするのかといった点が挙げられます。
おわりに
ワーケーションとは、職場とは離れた場所で余暇を楽しみながら働くスタイルのこと。従業員のみにメリットがある働き方にも見えますが、企業・地域それぞれにメリットがあります。
とはいえワーケーションを誘致するときには、利用者が快適に仕事に取り組める環境整備が欠かせません。ぜひこの記事を参考に、三方良しのワーケーションを実現させましょう




